どんぶりはお箸で食べる?スプーンで食べる?

丼物にスプーンは邪道?それとも王道?丼の歴史から最近の事情も踏まえ考えてみる。 2017年08月05日作成

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日本料理では、おかずをご飯の上にのせて食べるのは、行儀が悪いとされていました。ご飯と一緒に食べるときでも、お茶碗のご飯におかずを載せて食べるのは、NGでした。しかし、江戸時代に入り、江戸などの都会に労働力として地方から男の働き手が押し寄せるようになると、屋台などで家庭を持たない男が手っ取り早く食べることができる料理を出す店が増えました。今でいうファーストフードのようなものです。そんな中に、鰻屋がありました。もとはかば焼きだけを打っていたのですが、かば焼きが冷めないようにするため、熱々のご飯の上に置いたところ、たれが付いたご飯も美味しくなったので、一緒に売るようになりました。これが、うな丼。丼物の始まりです。

明治に入ると、丼物のバリエーションは一気に広がります。卵でとじた鶏肉を載せる親子丼、天ぷらを載せたれをかけた天丼、甘辛く炊いた牛肉を載せた牛丼などは、すべて明治期に広がりました。関西では、牛肉を卵でとじた他人丼(鶏と卵は親子だが、牛と卵は他人だから)、天かすを卵でとじたハイカラ丼なども生まれます。庶民の味とは言え、丼物のルーツは和食です。それだけに丼物はお箸で食べるのが一般的でした。定食屋、蕎麦屋など丼物を出す店でも、ふつうはお箸を出していました。しかし最近、外食店などでは、丼物を出すときに木製のスプーンを出す店が増えています。そして若いお客を中心にスプーンで丼物を食べるお客も増えています。確かに、同じ丼物でも、八宝菜の具をかけた中華丼は、ちり蓮華で食べるのが一般的です。ご飯に具をのせて食べるという点では、天津飯やカレーなども丼物の仲間と言えそうですが、これもスプーンで食べます。

そういう点では、丼物をスプーンで食べても不思議はないのですが、和食として考えれば、スプーンはあまりそぐわないようにも思えます。年配の人などは、スプーンとお箸の両方が置いてあっても、お箸を選ぶ人が多いようです。また、丼物でも、スプーンでは扱いにくい具が載っている天丼やかつ丼、うな丼などは、お箸を使う人が圧倒的に多いようです。スプーンで食べる丼物は、親子丼、卵丼など卵でとじた系統が主流のようです。最近は、新しく考案された丼物がたくさん出てきています。その多くは、スプーンで食べることが前提になっているようです。あなたはスプーン派でしょうか?お箸派でしょうか?

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