美味しさ再現!固くなった和菓子の戻し方とは?

和菓子が固くなったからといって、捨ててしまってはいけません。ここでは和菓子の保存方法や戻し方など、再度美味しく食べられる方法をご紹介します。 2017年09月16日作成

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もちもちしっとりした食感と甘さがとてもおいしい和菓子ですが、時間が経つと固くなって食感が悪くなるのが悩みの種ですよね。ここでは、和菓子が固くなる理由と、手軽にやわらかくする方法を紹介します。

1.和菓子が固くなるのはなぜ?

できたて、あるいは買ってきたばかりのまんじゅう、だんご、大福などは、やわらかくておいしいですよね。しかし、時間が経つと固くなり、おいしいとは感じられないのではないでしょうか。一言でと固くなると言っても、時間が経つことで固くなるのは、あんこではなく、あんこを包んでいる餅や、小麦粉生の皮の方なのです。あんこも水分が抜けたり温度が低くなると固くなりはしますが、常温ではそれほど固くならないものです。餅が固くなる理由は、餅に含まれるデンプンの中のアミロペクチンという物質の性質で説明できます。和菓子の材料である穀類は、加工前はとても固い状態です。この時、アミロペクチン同士はぎっしりと狭いすき間で並んでいます。穀類を煮る、焼く、蒸すなどして熱と水を一緒に加えると、アミロペクチンのすき間が広がります。この状態をα(アルファ)化と言います。すき間が広がると、穀類はやわらかくなりますが、加熱後しばらく時間が経つと、柔らかくなった穀類は乾燥します。乾燥して水分が抜けると、アミロペクチンのすき間が狭くなり、固くなるのです。

2.固くならないように保存するには?

できたてのやわらかい餅やだんごは、時間が経って冷えると固くなります。これをβ(ベータ)化と言います。一度β化した餅をあたためても、できたてのもちやだんごとは違う味や食感になってしまいます。これを劣化と言います。しかし、できたての餅やだんごを冷凍保存すると、劣化を遅らせることができるため、解凍した時に、できたてに近い状態で食べることができます。餅を使った和菓子を一度に食べきれない時は、冷凍すると良いでしょう。

3.固い餅をやわらかくする方法

つきたての餅はとてもおいしいですが、餅つきが行われることが少なくなった現代では、なかなか食べる機会がないのではないでしょうか。そこで、スーパーなどで売られている真空パックされた切り餅を、短時間でやわらかくする方法をご紹介します。耐熱容器に切り餅を入れ、かぶるくらいに水を入れます。ふたやラップをかけずに電子レンジに入れ、500Wで2分弱温めます。(電子レンジの中を見ながら、餅がふくらんできたら、2分経っていなくても取り出します。あたため過ぎると、餅が溶けてどろどろになってしまうので、気をつけましょう。)こうすると、つきたての餅に近いやわらかさになりますよ。

4.固いあんこをやわらかくする方法

冷蔵庫や冷凍庫で保存して固くなったあんこは、まず常温に戻してみましょう。あんこによっては、それだけでやわらかくなります。常温に戻しても固い場合は、水分を加えて練るとやわらかくなります。まず、鍋に水を入れて強火にかけます。沸騰したらあんこを入れて、砂糖や塩で味を調節しながら木べらなどを使って練ります。練っているとあんこがまわりに飛び散るので、やけどに注意しましょう。手間がかかりますが、艶が出るのでおいしそうな見た目になりますよ。また、電子レンジを使うと、手軽にやわらかくすることができます。常温に戻したあんこを耐熱容器に入れ、水を少しかけます。ふたやラップをせず、100gにつき500Wで1分ほど温めると、簡単にやわらかくなりますよ。

5.固くなった和菓子を戻すには?

日が経ってしまって固くなったり、冷蔵庫や冷凍庫で保存してあるまんじゅうやだんご、大福などの和菓子は、蒸気で加熱すると、できあがったばかりのものに近い、ふっくらとした食感に戻すことができます。冷蔵、冷凍してある場合は、まず常温に戻します。その後、蒸し器で5分ほど蒸し、少し蒸らしてから食べるとおいしく食べられます。電子レンジを使う場合は、耐熱容器に入れた和菓子の表面にたっぷりめに水を塗り、電子レンジ500Wで30秒ほど温めると、やわらかく戻すことができます。冷めるとすぐに固くなってしまうため、温めた後はできるだけ早く食べるようにしましょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。乾燥すると固くなり、蒸気を当てるとやわらかくなるという和菓子の性質がわかると、今までより和菓子をずっと身近に感じられるのではないでしょうか。和菓子を上手に保管して、いつでも美味しく和菓子を楽しんでくださいね。

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