専属専任契約とは?!メリットとデメリットまとめ

専属専任契約ははたして顧客のためなのか?仲介会社のためなのか?ポイントをご説明します。 2017年11月23日作成

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専属選任契約の4つのメリット

M&Aにおける専属専任契約とは、売主オーナーが買主候補先を探すにあたりM&A仲介会社やアドバイザーを1社に絞り専任で依頼をする契約です。

専属専任契約ははたして顧客のためなのでしょうか?

ここではメリットについてご紹介します。

①出回り案件化予防

出回り案件という名前を耳にしたことはありますでしょうか。

出回り案件とは、買主候補1社に対し複数のアドバイザーから同じ譲渡案件が持ち込まれている状況を指します。

買収意欲旺盛な大手企業などは、複数のM&A仲介会社やアドバイザーに譲渡案件情報の持ち込みを依頼しています。

そのような中で、同じ案件が複数のM&A仲介会社から持ち込まれると「これ前にも別の仲介会社から持ち込まれたよ」となるわけです。

出回り案件とわかると買主は一気に警戒心をあげます。

情報管理がきっちりできていないんじゃないか、何か売り急ぐネガティブな理由があるんではないか、売れ残っている訳あり案件ではないかなど、マイナスの感覚を持つことが多いです。

非専任で探す場合は、各アドバイザー同士でアプローチ先の共有を密にとるなどやりとりに手間がかかるため、アドバイザーからも嫌煙されやすくなります。

※別の記事で出回り案件については詳しくご紹介していますのでご参考にしてください。

② 情報漏洩リスクの低減

売主のアドバイザーを1社に絞っておけば、出回り案件になるような可能性もないですし、知らず知らずのうちに機密情報が拡散されて、取引先や従業員などに情報流出するリスクも低くなります。

情報漏洩発生時でも開示先の特定が容易であることから自体の収束をはかりやすいという面もあります。

複数のアドバイザーに依頼をしている場合は情報漏洩源を特定するだけでも容易ではなく、情報拡散が広がり深刻な事態になるリスクもあります。

③売主の作業負担低減

M&Aをするにあたり、非常に多くの資料準備が必要になります。

大まかな例を挙げると、会社案内、定款、法人登記事項証明、株主名簿、3 期分税務申告書・決算書類・内訳明細、当期月次試算表、組織図、減価償却資産台帳、従業員名簿、社内規定、給与台帳、取引基本契約書、リース契約一覧、土地・建物賃貸借契約書etc

このように、一例を挙げるだけでかなりのボリュームになります。

複数のアドバイザーに依頼をする場合、膨大な資料のやりとりを複数社と並行して行うことになります。

M&Aという機密情報のため、気軽に事務員に依頼をするわけにもいかず、忙しい経営者にとってはかなりの負担となります。

さらに、良い条件で買主候補を探してもらうためには、M&Aアドバイザーに自社を深く理解してもらい自分に変わって強みや弱み、シナジー等を買主候補先へプレゼンしてもらわなければなりません。インタビューや工場見学など理解を深めてもらうための情報提供も必要になります。

自社にぴったりなM&A仲介会社1社と専属専任契約をすることで、これらの事務負担を軽減しつつも最良の買主候補を探すことは十分できるのです。

④仲介会社の優先順位を上げる

専属専任である以上、M&Aアドバイザーは必死になって買主候補を探します。

一方で、非専任であれば競合他社経由で買い手が見つかり案件がなくなってしまうリスクがあります。

そこに半年、一年と時間や経費、労力をかけていたとしても全てが徒労に終わる可能性があるのです。

また、非専任案件を買主候補に持ち込んだ際には、「先日、競合B社からも持ち込まれたよ」となるリスクがあります。

そうなると、出回り案件を持ってくる仲介会社というレッテルをはられるリスクがあります。

できることならM&A仲介会社としては「専属専任の当社からしかご紹介ができない良い案件なので前向きにご検討ください」と言いたいものです。

専属選任契約のデメリット

当然、専属専任契約で1社に任せるよりは、複数の会社に任せた方がよい買主候補を探してくる可能性は上がってきます。

専属専任契約は1社と契約をするということになるため、依頼するアドバイザーの能力や担当者との相性によって成否が大きく左右されます。

アドバイザーによっては得意不得意分野もありますし、アドバイザーのもつネットワークによってもリーチできる買主候補先は大きく変わります。

専属専任契約をしている場合、ネットワークが限定的で買主候補企業の紹介がまったく出てこない、交渉力が弱く希望条件と大きな乖離がある、仲介会社のそもそもの対応に不満があるといった場合でも、一定期間、他社に切り替えられないことがあるためアドバイザー選びには細心の注意が必要です。

入り口でミスマッチが起きると、

①タイミングを逃し売れなくなる
②売れるまでに長い時間がかかる
③売れたが不利な条件面になった

などの売主にとって不利益になる可能性があります。

「専属選任契約が本当に顧客のためなのか」まとめ

「専属専任契約が本当に顧客のためなのか」というテーマで記載してきましたが、当然ながらそれぞれメリット・デメリットがあります。

専任契約にするにせよ、非専任契約にするにせよ、仕切り方次第、アドバイザーのクオリティ次第というのが結論です。

非専任の仕切り方で言えば、

①期間限定で専任にする

例:6ヶ月限定で専任契約をして得意分野を集中的に探してもらう

②社数限定で非専任にする

例:無制限にすると情報漏洩リスクがあがるため有力なアドバイザー3社に絞る

などが挙げられます。良いアドバイザーであれば頑なに専属専任契約にこだわらずに顧客の可能性を最大化するための様々な選択肢を提示してくれます。

そういう意味では、アドバイザー選がM&Aの成否を左右する一番重要なポイントといえます。

専任、非専任の判断以外にも、M&Aの過程で様々な判断をすることになります。

その際に顧客目線で最適なアドバイザーをパートナーにすることができればきっとそのM&Aは成功するでしょう。

とはいえ数多いアドバイザーの中から自社に本当にマッチする先をみつけるのはなかなか骨の折れる仕事です。

断腸の思いで決断した会社売却。

経営者人生の集大成ともいえるM&Aのアドバイザー選び。

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