失敗しないM&A仲介会社選びのポイント4選

経営者人生たった一度のM&A。その成否を左右するといっても過言ではない仲介会社選びの失敗しないためのポイントを詳しくご紹介します。 2017年11月26日作成

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M&A仲介業には資格は要らない?!

まずはじめにお伝えしたいことは、M&A仲介会社に公的な資格や許認可が必要ないということです。

株式会社日本M&Aセンターと金融財政事情研究会が企画・運営している「M&Aエキスパート認定制度」や経済産業省認可団体である全日本能率連盟(全能連)に公正な資格として認められた「M&Aスペシャリスト資格」、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会(略称:JMAA)が定めるM&Aアドバイザーであることを証明する資格など「M&Aに関する資格称号」は存在します。

しかし、これらの資格も必須ではなく、なんの経験や知識がなくとも素人がすぐにでも事業として開始することができてしまうのです。

急拡大するM&A市場!有象無象のM&Aアドバイザーも大量参入中!

中小企業のM&A仲介会社の平均年収はかなり高く、ビジネス誌などで「上場企業平均年収ランキング」なる記事が毎年よく出ていますが、M&A仲介会社は常に上位を独占しています。

上場企業平均年収ランキング

出典://

東洋経済オンラインの記事より抜粋・一部加工

これだけ高収益で急成長している業界であるにも関わらず、許認可や資格なども不要なことから、怪しい情報屋、モラルの欠如したブローカー、実績も経験もないなんちゃってM&Aアドバイザー等が多く参入してきているのが実情です。

新規参入の実績も経験もない彼らは当然、着手金無料、安い成功報酬、小規模ならではのきめ細かいサポート、独自のネットワーク等々、先行者や大手との差別化をアピールしています。

大きなお金が動くM&Aですので、市場の原理が働き「適正相場価格の促進」が進むこと自体は非常に良いことです。

しかし、経営者にとって会社の譲渡は一生に一度の大切な決断です。

オーナー経営者のみならず、従業員、取引先、多くの人生を左右する決断です。

そのような中で、ほとんどの経営者がM&A未経験者であり、限られた情報の中で大きな決断を余儀なくされています。

・着手金が無料であったが情報漏洩が起き風評被害に。
・成功報酬が安くても交渉力が乏しく適切な企業評価を引き出せなかった。
・ネットワーク力がなく希望の相手が出てこなかった。
・専門知識・経験が乏しく、税務リスク、訴訟などに発展

オーナー経営者と会社(従業員、取引先)の未来を託すM&Aが、このような状況に陥っては本末転倒です。

大切なことは、大前提として必要な専門知識とM&Aの実務に精通しているM&Aの専門アドバイザー・仲介会社をしっかり見極めることです。

そして、そのなかから各社の強みや特徴を比較し、自社にベストマッチする1社を選定することがM&A成功のカギになります。

POINT1 まずは成約実績の確認を!

M&Aには会計、税務、法律などの知識や経験が必要となるほか、業種などによって業界特有の知識が求められます。これらの知識、経験はM&A仲介会社にとって最も重要なものです。

公的な資格がなく、取り扱う金額が莫大になることもあり、大小様々なM&A仲介会社、M&Aアドバイザーが多く存在します。

そのような中で、M&Aの成約実績は仲介会社の対応できるキャパシテイを表す指標となります。

仲介業者を選ぶ場合、重要なのは企業の実績と信頼性です。

経営陣の経歴、M&Aという機密情報の取り扱い方、企業評価を正確かつ迅速にできるか、M&Aというセンシティブな取り組みに対するプロ意識を事前面談で見極めることが重要です。

十分な実績と信頼性のあるM&A仲介会社、M&Aアドバイザーを選択するようにしましょう。

POINT2 業界特化型?非特化型?得意分野を見極めよう!

M&A仲介会社やM&Aアドバイザーは数多くあれど、強みはそれぞれ異なります。

特定の業界・業種に特化している専門M&A仲介会社もあれば、業界・業種を特化せず、あらゆる業界・業種を総合的に網羅するM&A仲介会社もあります。

業界・業種特化型の仲介会社でいえば、調剤薬局、介護、IT、飲食店舗系などが有名です。しかし、主要な業界・業種が網羅されているわけではなく、M&Aが活発に行われている一部の業界・業種に対応する仲介会社がいるにすぎません。

業界に特化しているM&A仲介会社は同業同士の仲介を得意としており、各業界に関する専門知識や法改正動向に精通し、業界内のM&A案件情報・ネットワークに強みをもちます。

一方で非専門のM&A仲介会社は、業界・業種を問わず幅広いネットワークで業界をまたいだマッチングを得意としており、同業はもちろんのこと異業種との新たなシナジーの可能性を探してくれます。

ITの普及に伴い産業構造が激変する中、もはや〇〇業という垣根は存在しません。
新たな成長戦略の手段として、それぞれの強みと弱みを補完し合う異業種間のM&Aが活発に行われています。

POINT3 報酬体系の違いを見極める!

M&A仲介・アドバイザーによって報酬体系は異なります。

基本的な算出方式は着手金+中間報酬+成功報酬ですが、完全成功報酬のみで業務を請負っている会社もあります。

一方で案件の規模が大きい場合や複雑な組織再編などを伴う場合など、成約するまでにより多くの時間とコストがかかるため、リテイナーフィーや中間報酬を要求されることがあります。

※中間報酬は最終的な成功報酬から差し引かれるケースが多いです。

成功報酬だけで着手料等がゼロの仲介会社も最近増えてきましたが、そのような場合、売り手・買い手ともに譲渡意思、買収意欲も固まっておらず真剣度合いにも大きな影響を及ぼします。

成功報酬はほとんどの会社がレーマン方式(取引金額に一定の料率をかける)を採用していますが、取引金額の考え方については、仲介会社によって異なるため、事前に確認が必要です。

<取引金額例>
●株式譲渡価格(株価)をベースに算出
●移動総資産(=株式譲渡価格+有利子負債)をベースに算出
●移動総資産(=営業権+総資産)をベースに算出

取引金額の考え方は、M&A仲介会社により異なり、算出方法次第で支払う手数料、譲渡対価の手取り額は変動します。

M&A仲介会社の手数料以外にも、デューデリジェンス(買収監査)費用、税金などM&Aには多額の費用がかかります。

仲介会社によっては弁護士、税理士、会計士、司法書士などがワンストップでサポートをしてくれる会社もあれば、別途手配が必要なところもあります。

着手金無料や成功報酬が安かったとしても、報酬以外にかかる費用を正確に見積もっておかないと、あとで予想外の費用が発生する可能性もあるので注意が必要です。

POINT4 対応可能なM&A案件の規模

「うちの売上規模じゃM&Aの対象にはならないだろう」そんな経営者の方のお話をきく機会は多いです。

確かにM&A仲介会社によって取扱うM&A案件の規模は異なります。

・年商が数百億円単位の大型案件を中心に扱う証券会社、銀行などの金融機関。
・数億円~数十億円といった中規模案件、1億未満の小型案件まで対応するM&A仲介会。
・サイト売買などを個人の人脈で扱うブローカーまで多種多様です。

M&A仲介会社によってそれぞれ最低成功報酬を設定しているところがほとんどで、そもそもの案件サイズによっては売買価格に対して仲介手数料の比率が合わないケースも多くあります。

そのような場合は、個別案件毎に柔軟に対応してもらえる会社を探す必要があります。

POINT5 完全独立系か系列所属か

M&A仲介会社は銀行・証券会社などの系列会社なども多いですが、完全独立系M&A仲介会社は、系列やグループの縛りがないため、M&Aを希望する企業双方に、メリットのある公正なコンサルティングを行います。

M&Aに専門特化している会社も多く、それだけを生業としていることからそのノウハウは高いレベルの会社が多いといえるでしょう。

系列所属の場合は、もともとの本業でM&Aに関する顧客からの相談が多く、結果的に兼業でやっている会社が多いといえます。

一方で系列に属していることで、グループ特有の情報やネットワークを活かせるメリットも期待することはできるでしょう。

POINT6 対応エリアは?地元に強いところを探した方がいいの?

「東海エリアに強い!」などエリア特化をうたうM&A仲介会社もありますし、全国対応のM&A仲介会社もあります。

エリア特化型のM&A仲介会社は、地域性の強い独自のネットワークや情報をもっていることも多く、強みのエリア内では独自の強みを発揮することでしょう。

「地元の企業に譲渡したい」などの想いがある場合は有効な選択肢になります。

一方で地域限定の情報網は裏を返せば、全国津々浦々の買い手候補の可能性を潰してしまうことになります。

全国から本当に最適な買い手候補を探したい場合は、全国対応しているM&A仲介会社を選びましょう。

全国から相手を探せば、それだけ多くの買い手候補先にアプローチできるため、良い条件を引き出しやすかったり、思いもよらぬシナジーのある相手と出会える可能性もあります。

大手仲介会社は全国に支店を設けていることもあり、地域特化の会社と遜色ない地域に根差した情報網ももっています。

POINT7 担当者の熱意と相性

定性的な話になりますが、実務を行う担当者との相性や熱意はM&Aの成否を大きく左右します。
M&Aは忙しい本業の合間をぬって膨大な資料収集や買い手候補先との交渉など負担も大きく、成約するまでの長い期間やりとりを続けるため、担当者のレスポンスの良さ、経験はもちろんのこと、人間的な相性や担当者のコミュニケーション能力、オーナーの気持ちに寄り添える人間力も重要になります。

複数の仲介会社と実際に会って話をしてみないとこれらを見極めることはできないため、数ある仲介会社から自社に合う数社を厳選し、実際に担当者と話をすることで最終的なパートナーを選ぶと良いでしょう。

M&A仲介会社選びに迷っている経営者の方に

この記事では経営者人生たった一度のM&A。その成否を左右するといっても過言ではない仲介会社選びの失敗しないためのポイントついてご説明させていただきました。

しかし、実際に自社にとって最適なM&A仲介会社を選ぶことは非常に困難です。

・経営者が高齢で体調もすぐれないため早急に譲受先を探す必要がある。
・今すぐ譲渡したいわけではないので気軽にじっくり時間をかけて相手を探したい。
・着手金などの手出しの費用は払いたくない。
・専門家のワンストップサービスで安心して理想のM&Aを実現したい。

譲渡企業オーナーのおかれる状況はそれぞれ全く異なります。

それぞれのおかれている状況、事業の内容、売上規模、営業エリアに応じて見極めなければなりません。

当社では全国数100社のM&A仲介会社を徹底的にリサーチをしており、貴社にベストマッチするアドバイザーを無料診断しています。

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という方はお気軽にご相談下さい。

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