知らない人が多い!印鑑の処分方法

使わなくなった印鑑をそのまま捨てるのは危険です。正しく印鑑を処分することは縁起的にも良いとされます。印鑑の処分方法をわかりやすく紹介。 2018年09月10日作成

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どの家庭に1本くらいは、使わなくなった印鑑があると思います。

割れて使えなくなってしまった他にも、両親祖父母がなくなり、処分に困っているご家族も多いことでしょう。

そのままゴミ箱に捨てるのは気がひけるし、かといってずっとタンスの奥にしまっておくのは縁起的に悪い・・?

今回は、印鑑の処分方法についてご説明します。

また、代々受け継いできた大切な印鑑だったり、象牙などの高価な印材を使っているためどうしても捨てたくない!というばあいには、彫り直しをする方法もあります。
今回の記事では、

・実印の印鑑登録廃止申請
・印鑑を正しく処分する方法
・印鑑を彫り直す方法

をわかりやすくご紹介します。

印鑑をそのまま捨てるのは危険!?

印鑑は一生物です。ですが、以下のような場合に印鑑を使えなくなってしまうことがあります。

・落としてたときに、印面がかけてしまった
・女性の場合、結婚して苗字が変わった
・両親や祖父母が亡くなった場合

ですが、そのままゴミ箱にポイっと捨てるのは危険です。
危険なおもな理由としては、

・セキュリティの問題
・縁起の問題

の2つがあります。

セキュリティの問題

実印は法的な力を持つ印鑑。
まずは、処分する印鑑の登録を廃止し、新しい印鑑を作成してから処分する必要があります。
さらに、印鑑証明証と一緒に捨ててしまった場合、たとえ効力がなくなったあとでも詐欺などに悪用される場合があります。

縁起の問題

印鑑は、そのひとの分身だと言われています。
本来なら縁起的に、施しのないまっすぐなものがいいと言われているくらいです。

印鑑を処分するときにセキュリティーに配慮して、カッターで削ったり、印面に接着剤をたっぷりつけるというような方法も紹介されています。

ですが、縁起的には印鑑を削ることは、自分の身を削ることと同じことなのです。

人生の節目で使う機会のある印鑑、長い間使った後は、正しい方法で処分するようにしましょう。

印鑑登録の廃止申請方法

割れたりしたものや、使えなくなった印鑑の効力の停止するために、印鑑登録を廃止申請しましょう。
印鑑登録の廃止申請をする場合には、以下のようなケースがあります。

・実印を紛失した
・実印を廃止したい
・実印が欠けた
・実印がどれだか分からなくなった
・印鑑登録証を紛失した
・印鑑登録の住所変更(引っ越しした場合)
・結婚などで指名が変わった

それぞれのケースによって、必要なものは微妙に違ってきますが、すべてお住いの市区町村の役場でできます。

こみだし欠けた実印は使っていいの?

実印が欠けてしまい、印影が変わった場合は、その実印の効力がなくなってしまいます。
一旦登録を廃止して、新しい実印を作らなければいけません。

実印を欠けにくい丈夫な素材でつくることをおすすめするのはこのためです。
基本的に、上にあげたケースがない限り、印鑑を登録し直すということはあまりありません。

印鑑の廃止申請に必要なもの

・印鑑登録廃止申請書(各市区町村の役場の窓口か、ウェブ上にあります)
・実印として登録している印鑑
・印鑑登録証
・本人確認書類(有効期限のきれていないもの。役場によって規定があります。)

また、本人が何らかの理由で役所に行くことができない場合には、家族などに代理人を依頼して廃止することもできます。

・代理人選任届(各市区町村の役場の窓口か、ウェブ上にあります)
・代理人の認印

が必要になります。

作り直しをする場合には、この廃止を行った後で、実印を作成し、もう一度登録し直します。

印鑑の気を抜く

実印には、使っていた人の「気」が入っていると言われています。
気は、運気を左右するもの。
もし、印鑑を処分するときは、気をぬいておく必要があります。

その方法を簡単に紹介します。

1.印面・持ち手を綺麗に掃除する。

付いている朱肉や、汚れをふきとります。
印面は、毛先のやわらかい歯ブラシなどで優しく印面を磨きます。
つまようじなどを使うと、印面を傷つけてしまうことがあります。
その後は、柔らかい布で細かいところを拭き掃除します。

印鑑が綺麗になったら、綺麗な紙か布にくるみます。おすすめは習字で使うような半紙です。

2.仏壇や神棚に1年間置いておく

1年間と聞くと長いように思えますが、その間にゆっくりと「気」を抜いておくことが大切です。
もし、仏壇や神棚が自宅になければ、押入れなどの暗い場所に置いておきましょう。

印鑑の処分方法

印鑑登録を廃止して、印鑑の気を抜きました。やっと印鑑を処分するときです。

印鑑を処分するには、

・自分で処分する方法
・神社やお寺で供養してもらう方法

の2種類あります。
決して、そのままゴミ箱に捨てるというようなことは辞めましょう。
縁起的にも、セキュリティ的にもよくありません。

自分で処分する場合:印鑑を土に埋める

印鑑の処分方法は簡単です、自宅の土に埋葬するのです。

キレイにして気を抜いた印鑑をまっさらな封筒に入れます。
そして、閉じた箇所に「封」としるします。

そしてそれを土に埋めるのです。
印鑑は自分の分身と言われていますから、これが印鑑のお葬式方法です。

自分で処分する場合:ゴミ箱にすてる

土に埋める以外の方法は、ゴミとして捨てるしかありません。
このときに、セキュリティー面を考慮して、印面をカッターで削る方法などがありますが、あまりおすすめできません。

「マンションなどで自宅の庭がなく、埋める場所がない」
「かといって、そのまま捨てるのは不安」

という場合には、印鑑を供養するのをおすすめします。

神社で供養してもらう

全国各都道府県ごとにある、印章協合組合が主催している、印鑑供養というものがあります。
針供養、人形供養などはよく耳にしますが、印鑑の供養も有名です。

10月1日は「印章の日」とされ、この当日〜前後に、全国の神社やお寺で供養のおまつりが行われています。
住んでいる地域の、印章組合に尋ねてみるのが良いでしょう。

お祭りでは、不要になった印鑑の供養だけではなく、使っている実印・銀行印の繁栄やご祈祷もかねています。
このとき、シャチハタなどのインク浸透印は供養してもらうことができません。

・印章の日
明治6年10月1日に、明治新政府によって、重症書類には書類のとなりに実印をおす制度がつくられました。
これまで、印鑑はお役所など重役の人がつかうもので、一般人は持っていなかったのです。

10月1日に初めて市民権を得たことから、この日が印章の日と印章組合のなかで決められました。

もし時間がなくて印鑑供養にもっていけないばあいは、ハンコ屋さんにもっていくことをおすすめします。
代わりに、印鑑の供養の取次をしてくれるところがほとんどです。
作ってもらったハンコ屋さんだと、信頼感があるので尚いいでしょう。

印鑑供養では、感謝の気持ちを込めてご祈祷をし、そのあと焼却供養するような流れです。

彫り直し=改刻

・祖父母や両親の形見として印鑑を受け継いだ
・象牙やチタンなどの高価な印材

使わなくなったけど大切な印鑑。ただタンスの奥にしまっておくだけではもったいないですよね。

印鑑そのものに思い入れがある場合には、印鑑を彫り直しすることをおすすめします。

彫り直しとは、文字が彫られている1ミリほどの部分を一旦削り、新たに名前を彫刻すること。
彫り直しをするこで、大切な印鑑に新たな命を吹き込みます。

また、天然素材の印鑑は、地球の天然資源のひとつでもあります。
印鑑を有効活用することは、環境にも優しい行動といえます。

彫り直しは、すべての印鑑ができるというわけではありません。

大きさ的には一般的に、直径6〜21ミリのもの、長さ2〜7センチ以内のものであれば彫り直しできるといわれています。

また、一見素人目にはキレイに見れる印材でも、内部にヒビが入っている場合があります。
その場合、いくら作り直しても欠けたり、割れたりしてしまう場合があるので、彫り直しができないのです。

ですので、彫り直しの前に、必ず彫り直しができるか鑑定されます。
また、素材によっても彫り直しができないことがあります。

黒水牛(くろすいぎゅう)などの、牛角系は丈夫ですが、木の柘植(つげ)などはもろくなっていることが多いです。

その他にも、
・宝石印材・・・ローズクオーツなどの水晶。石の種類によっては彫り直しできない場合がある
・金属印材・・象牙やチタンなど。丈夫なので比較的彫り直ししやすい。
などがあります。

このときに、彫り直しができるなら、もういちど同じ名前を欠けてしまう前とおなじように彫ってもらえばいのでは?と考える方がいます。

しかし、それはできません、
なぜなら同ー印影の彫刻(=全く同じ印鑑をつくること・複製)は法律で禁じられているからです。
もし、同じ印面がつくれてしまったら、印鑑登録の意味をさないですもんね。

印鑑を削り直すことは、縁起的によくないといわれています。

しかしながら、

・両親にもらった大切な印鑑を彫り直したい
・亡くなった祖父母からの印鑑を息子・娘用に彫り直したい
・結婚して名字が変わったため、印鑑の効力がなくなった場合

そういった場合にはやはり彫りなおすことをおすすめします。
ただ彫り直すのではなく、印鑑に対する「思い入れ」があります。

そういう場合には、印鑑を思う気持ちを優先しましょう。

印鑑を長く使うために

最後に、印鑑を長く使うためのお手入れ方法をご紹介します。

印鑑が劣化するおもな原因は、ずばり「朱肉汚れ」です。
とくに、柘植などの木素材は朱肉がしみやすいのが特徴。

印鑑のお手入れは、ティッシュで拭き取って終わり、という方はいませんか?
ティッシュで拭き取るだけでは、朱肉の汚れは落ちません。

朱肉の主成分は油。
とりきれなかった朱肉が溜まって、いつしか朱肉が固まり、印鑑自体が劣化してしまいます。

そうならないために、簡単にできる掃除方法を紹介します。

印面の掃除には、既製品で売っている印鑑専用ブラシか、毛先のやわらかい歯ブラシをつかいます。
力を入れずに、小刻みに印面を磨きましょう。
この時、間違っても爪楊枝など、先が尖っているもので印面をほじくり出してはいけません。

印面が削れるだけでなく、欠けてしまう原因にもなります。

また、印鑑を使う際にも、劣化をふせぐポイントがあります。

・なつ印前
なつ印するときは、朱肉のつけすぎに気をつけましょう。
汚れの取れない細かい部分に染み込んでしまう可能性があります。
また、つけすぎると陰影がにじみ、キレイに押せません。

・なつ印時
なつ印するときは、なつ印マットを使うことをおすすめします。
なつ印マットを使うことで、印面にかかる負担を減らしすだけでなく、欠けをふせぐこともできます。
はんこもキレイにおすことができます。

・なつ印後
なつ印後は、すぐにティッシュややわらかい布で拭き取りましょう。

また、シャチハタ商品で、印鑑のお手入れをする商品が売られています。

印面ブラシ「ゴミトール」

ゴミトールは、ブラシとパッドがセットになったもの。
印判の汚れを取って、快適な捺印をうながします。

また、環境に適した素材を使用しているため、ゴム印の掃除にも安心して利用できます。

使用素材
・清掃用ゴム・・・天然ゴム再生品
・枠・底部・・・ASB再生樹脂
・ブラシ・トレイ・・・非塩ビ素材を再利用

印鑑やゴム印の捺印時に、印判に付着したホコリや朱肉を、印面を傷めずにキレイにそうじすることができます。

印鑑は縁起物

印鑑は、縁起物であり一生物です。
実印などは使うことこと少ないですが、だからこそ使用者の「気持ち」がたくさん入ったものです。
考えてみれば、一生のうち、最後まで使い続けるものはあまりありません。

長く使うからこそ大切に扱いたいものですよね、

印鑑の処分方法としては

・印鑑登録の廃止申請をする
・1年間保管し、気を抜く
・土に埋葬する
・印鑑供養をする

というのがあることがわかりました。
ぜひ、印鑑供養するときはおまつりに参加してみてくださいね。

また、縁起的にはいわれがある彫り直しですが、やはり今の時代、持っているものは再利用できた方が環境的にもいいですよね。

まずは、自身のもっている印鑑をハンコ屋さんに持っていき、彫り直しをしてもらえるか鑑定してもらうのが良いでしょう。
印鑑の素材によって、彫り直しの値段も違うので、頼めるようなら見積もりもお願いしましょう。

いずれにせよ、大切だからといってただ閉まっておくだけでは、本当に大事にしているのか疑わしいところです。
使わなくなった印鑑をいつまでも、放置しておくよりも、いっそのこと供養に出したり、彫り直しをすることは、新しい気を吹き込むことにつながります。

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