「もなか」は和歌に由来する?最中の歴史と発祥について

伝統的な和菓子であるもなか。その歴史は古く、名前の由来は何と平安時代までさかのぼります。歴史ロマンあふれる、もなかの発祥の秘密についてご紹介します。 2017年09月14日作成

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薄く焼いた皮に餡を包んだもなかは、日本人なら一度は食べたことのある和菓子ではないでしょうか。そんなもなかの歴史と名前の由来は、非常に古いことを知っていますか?歴史のロマンがつまったもなか。ぜひ日本人なら知ってほしいルーツについてまとめました。

何とも風流!名前の由来とは

もなかの名前の由来は、もなかという和菓子がこの世に生まれるよりもはるか昔。平安時代までさかのぼります。ある宮中の宴の席にて、源順という人物が和歌を詠みました。「水の面に 照る月なみを かぞふれば 今宵ぞ秋の 最中なりける」。お菓子として出された白い丸餅が池にうつる中秋の名月にそっくりだ、という意味の歌でした。そして歌の中に出てくる「最中」という言葉こそが、この約1000年後の江戸時代で新しくできた和菓子の名前の発祥となりました。

初期のもなかには餡がなかった!

さて、もなかというお菓子が登場したのは江戸時代。初期のもなかには今のもなかとは異なり、中に餡は入っていませんでした。餅粉を水で練ったものを蒸し、それをに薄くのばして丸く切り取り、焼いて砂糖をかけたものだったのです。これを当時売り出した煎餅屋「竹村伊勢」はそのまん丸なお菓子の姿から、かつての和歌から名前を取り「最中の月」という風流な商品名をつけました。後にこのもなかの皮の中に餡をはさんだ「最中饅頭」が登場し、略して「もなか」の名前で広がっていきました。明治時代には定番の和菓子として定着し、色や形、そして中身の餡にもバリエーションが出るようになっていきます。

そして現在のもなかへ

今日のもなかには、昔ながらの伝統的なもなかのほか、西洋の味を取り入れたアイスやチョコレート、カスタードなどの変わりもなかも登場しています。特にアイスもなかは韓国や中国といったアジアでも人気があり、今後欧米への展開も期待できそうです。一方伝統的な餡の入ったもなかは海外ではあまり見ることはありませんが、唯一台湾ではほぼ同じお菓子が見られます。日本が台湾を統治していた時代に日本のもなかが伝わったとする説が有力で、名前も「最中」もしくは「最中餅」と呼ばれているようです。

日本の伝統的な和菓子であるもなか。そのルーツは平安時代という古くからのものでした。もなかをプレゼントする時には、その名前の由来と歴史のお話を添えて贈ってみてはいかがでしょうか。今までとは一味違った楽しみ方がきっとできるはずです。

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