ねぶり箸、刺し箸、渡し箸 お箸にまつわる5つのやってはいけないこと 前編

親から厳しくされた?お箸の作法。大きく分けて5つのNGがあります。
前篇と後編に分けて情報をお届けします。
まず前篇は「ねぶり箸」「なめ箸」「刺し箸」「渡し箸」について。

今さら聞けないお箸のマナーをもう一度おさらいしてみましょう。 2017年08月05日作成

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「ねぶり箸」「なめ箸」

「ねぶり箸」とは、お箸についた料理の残滓を口でねぶりとること、「なめ箸」とは料理を持っていない空のお箸を、口に運んでなめること。どちらも、見ていて気持ちの良い光景ではありません。理屈なしにNGであるのは明らかです。

では「ねぶり箸」を防ぐにはどうすればいいのでしょう?懐石料理では、客は「懐紙」という半紙を懐に入れるのがマナーになっています。お箸が汚れれば懐紙でふき取ります。ふき取った懐紙は、食卓に置かず、名前の通り「懐」に収めます。バッグなどに入れてもいいでしょう。

「懐紙」を持っていないときはどうすればいいでしょうか?お箸に食材やご飯粒がくっつくのは、お箸が乾いているからです。お箸を湿らすことで、ある程度防ぐことができます。とはいっても、お茶や水にお箸を突っ込んではいけません。

まずお料理が出されたら、吸い物にまず手を付け、お箸を軽くお椀にくぐらせることで、お箸に湿り気を与えることができます。さりげなく、こういう気づかいができるようになりたいものです。

またもてなす側は、お箸を乾燥させず水にくぐらせてから付近で拭いて出すようにする心遣いをしたいものです。

「なめ箸」は、習慣性のものですから、意識付けをするしかありません。これもポイントがあります。私たちは食事のときにずっとお箸を持っていることが多いですが、実はそれは間違いです。お箸は、料理をとって口に運ぶ時だけ使います。

食事中でもお茶を口にするとき、人と会話するときは、お箸を箸置きに置きましょう。人と会話するときに、お箸を持ったままというのも、マナー違反です。食事の間、頻繁にお箸を箸置きに置けばいいのです。

「なめ箸」とは直接関係がありませんが、そういう習慣をつけることで「なめ箸」はなくなるはずです。

「刺し箸」

お箸で食材を突き刺すことを言います。

小芋の煮つけ、黒豆、こんにゃくなど、日本料理には、箸ではさみにくい料理、食材が結構あります。こういう料理が出されたときに、ついついお箸を食材に突き刺してしまうことがよくあります。

お箸に料理が突き刺さった光景は、子供っぽくてみっともないものです。突き刺さった料理を口に運んで、お箸を抜くのも見苦しい動作です。せっかくの心づくしの料理を乱暴に扱っている印象を与えますから、やめたいものです。

では、お箸ではさみにくい料理や食材を「刺し箸」をせずに食べるにはどうすればいいのでしょう。
残念ながら確実な解決策はありません。はさみにくい食材をしっかりはさむには、「お箸使い」の技術を向上させるしかありません。

経験を積むとともに、意識を高めることです。基本的には「慌てない」ことです。お箸を美しく使うためには、心持ちゆっくりとお箸を動かすようにしましょう。落ち着いてゆっくりとお箸を使うことで、はさみにくい食材も案外はさむことができるものです。
また、お箸を横にして食材にあてて、お箸が食材をはさむところをしっかり見ることで、より確実性が増します。

小芋など軟らかいものなら、お箸で割って角をつけて、はさみやすくするのもよいでしょう。「落ち着いてお箸を使う」ことで、こうしたマナーのNGは少なくなります。もてなす側は、お箸ではさみにくい料理を出すときは、楊枝や匙、フォークなど他のカトラリーを用意する気配りをするべきでしょう。さらに小皿などを料理に添えるのもよいでしょう。特にお年寄りや子供が席に連なるときは、こうした心遣いをすべきでしょう。

「渡し箸」

「渡し箸」とは、茶碗や汁椀、湯飲みなどの上にお箸を橋のように渡すことを言います。実は、戦前の東京ではお酒を飲むときに、お箸を猪口やぐい飲みなどの上に渡す習慣がありました。

「二本箸(日本橋)の下は水だから、悪酔いしない」という理由からでした。それはあくまでおまじないの類ですが、やはりきちっとした日本料理の食卓では、「渡し箸」はやめたいものです。

「寄せ箸」のときに説明したように、日本料理では食器をとても大切にします。その食器の上に必要もないのにお箸を載せるのは、無神経な行為だといえるでしょう。
また、器の上に渡しかけたお箸は、何かの拍子に飛んだり、落ちたりすることがあります。思慮の浅い行為だといえるでしょう。

実は精進料理では、料理を食べ終わると箸先を手前のほうに向けて、お箸をお椀に斜めに載せるのがきまりです。

つまり「渡し箸」は、「食べ終わりましたよ」という合図になります。そのことを知っている人が、精進ではない一般的な日本料理でも、同じように食べ終わってお箸をお椀の上に置くことがありますが、これは正しいとは言えません。

精進料理の場合も流派や店などでいろいろなケースがありますが、永平寺などでは、料理が出された時点で、お箸はお椀の上に載っているのが一般的です。そういう場合は、食べ終わってお箸を「渡し箸」にしても差し支えないでしょう。

お箸が箸置きに置かれているような一般的な日本料理では、お箸は、使っていないときは箸置きに置くべきです。基本的には、料理を取り分けたり、食べたりしていないときは、お箸を手に持ったり、器などに渡しかけたりするのはNGです。使っていないお箸は箸置きの上にあるのが基本と考えれば、こうしたマナー違反は防げるのではないでしょうか。

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