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スプーンの素材といえばステンレスというイメージですが、どうしてステンレスがいいのでしょうか?

スプーン選びはまずスプーンのことについて知ることからはじまります。今回はスプーンの中でも一番ベーシックな素材「ステンレス」について調べてみました。 2017年08月04日作成

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昔のスプーンは何でできていた?

スプーンは、口の中に入る可能性が最も高いカトラリーです。フォークも、突き刺した肉や魚などを口に運びますが、食べ物が口の中に入ると、フォークを引き抜くために、先端が触れるか触れないか、という感じです。ナイフは料理を切り分けますが、料理を乗せたり、口の中に運んだりすることはありません。ナイフには刃がついていることもあるので、口の中に入れるのは危険です。

しかしスプーンは、必ず口に触れます。西洋のマナーでは、スープを飲むときにはスプーンの先端をたてに口に当てて、そこからスープを流し込むことになっています。しかし、豆料理やカレーライス、アイスクリームなど、口の中にスプーンごと入れないと食べることができない料理もたくさんあります。スプーンの「味」を感じる機会も多いはずです。

それだけにスプーンの材質は気になるところ。西洋では、中世以前のスプーンの素材は、銀を別にすれば、木製、鉄、青銅などでした。木製はすぐに腐敗するので、長く使うことはできませんでした。また鉄製、青銅製も酸化してぼろぼろになるので、長く使うことはできませんでした。鉄や青銅は独特の金属臭もありました。20世紀以降に新しい素材が発明されるまで、スプーンをはじめとするカトラリーは、庶民にはあまり普及しなかったのです。

夢の素材、ステンレスの発明でスプーンは一気に広がった。

現在使われている金属製のスプーンなどカトラリーの材質は、大きく分けてステンレス、銀、白銀の3つになります。そのうち、ステンレスはまさに「カトラリー革命」と言っていいような夢の素材でした。

ステンレスとはStain‐Less(さびない)という名前をもつ合金です。鉄とクロムとニッケルなどの合金です。クロムが鉄の表面に被膜を作るので錆びません。ステンレスは20世紀初頭、イギリスで発明された合金です。当時、世界中の研究者は錆びやすい鉄に変わる新たな金属(合金)をもとめて発明に取り組んでいました。その中でベレアリーというイギリスの研究者が鉄に定量のクロムを添加することで腐食(サビ)に耐えることを発明したのです。ステンレスは広く流通するようになりました。それに伴い、安価で安全なステンレス製のカトラリーも大量に作られたのです。ステンレスの発明で、庶民の食卓は一気に変わったと言っても良いでしょう。

ステンレスは耐用性が高く、長く使える上に、リサイクルも可能です。スクラップにして、電気炉で溶解すれば、何度でも再利用が可能。実は日本ステンレス製品の60%は再利用資源から作られています。ステンレスは素材としてもすぐれているだけでなく、環境にも優しいのです。

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