もとはスープのこと?羊羹の意味と歴史を紐解いてみる

羊羹の由来や起源をご存知ですか?どうして「羊羹」という漢字が用いられるようになったのか、など、羊羹にまつわるエピソードをご紹介します。 2017年09月11日作成

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羊羹という漢字を「ようかん」と読むことができても、その意味について知っている方は意外と少ないですよね。今回は、どうして定番の和菓子である羊羹が、羊羹と呼ばれるようになったのか、その起源などについて解説します。

羊羹ってそもそもどうしてこんな字を書くの?

羊羹という漢字は、それぞれ読むと羊(ひつじ)の羹(あつもの)となります。羊はともかく、「あつもの」なんてあまり馴染みのない言葉ですよね。あつものとは「熱物」=スープのことで、羊羹はそれそのものが「羊のスープ」のことを指しています。

羊羹の発祥は中国南北朝時代、当時は本当に羊のスープだった

羊羹の起源は中国南北朝時代、なんと約1500年前にも遡ります。とある武人が皇帝への献上品として拵えたものが羊羹の起源だとされており、このとき作られた「羊羹」は、本来の意味での羊のスープだったようです。

このスープは肉のゼラチンによって冷めると固まる、つまり煮凝りの状態になり、これを小豆によって再現したものが日本における羊羹の原型だと言われています。

練り羊羹は老舗和菓子屋「駿河屋」から生まれた

さて、現在ではおもに寒天で練り固める「練り羊羹」が主流ですが、日本へ羊羹が伝わった当初は、小麦粉や葛粉を混ぜて作る「蒸し羊羹」の形式でした。

日本の文献で羊羹が初めて登場するのは室町時代なのですが、練り羊羹が登場するのは安土桃山時代の終わりごろ、1589年。駿河屋の五代目によって開発され、完成品として市販されるまでにはそこからさらに約60年もの年月がかかっています。

今回ご紹介したものはあくまで羊羹誕生にまつわる一説であり、確定的な説ではありません。しかし、これにまつわる精進料理が存在していることからも、有力と考えられている説の一つです。普段何気なく口にしている羊羹ですが、昔を懐かしんで蒸し羊羹を味わってみるのも一興ではないでしょうか。

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