出回ったら最後?!買い手がつかない出回り案件とは

譲渡企業必見!【要注意】買い手がつかなくなる出回り案件についてご紹介します。 2017年09月23日作成

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M&Aは秘密保持にはじまり秘密保持に終わると言っても過言でないほど情報の取扱いは慎重に行わなければいけません。
会社や事業の譲渡に関しては特に注意が必要です。
「◯◯工業の社長が会社を売却しようとしている」そんな情報が独り歩きをして取引先や従業員に不安や疑念を与えると事業に大きな損失を与えかねません。そのため、譲渡先を探す際に多くの経営者がこのような事態を避けるべく情報開示の範囲には特に注意を払います。
しかし、情報開示の範囲で気を遣わなければならないのは取引先や従業員だけではありません。買い手企業を探してきてくれるM&Aアドバイザーも同じです。

出回り案件のデメリット

ある買い手企業やM&Aアドバイザーに何度も「同じ売り案件」が「異なる情報源(M&Aアドバイザー)」から持ち込まれる案件を出回り案件などと呼びます。
出回り案件は、買い手探しに苦慮している、「訳あり案件」として捉えられるリスクがあります。本来いい会社であればすぐに成約するはずで、出回ってしまっているということは、他社が見送る何か重要な欠陥があると敬遠されがちです。
特に譲渡希望時期が早いケースではその傾向が顕著です。

買い手企業の目線でみる出回り案件とは

前述の通り、訳あり感が出てしまいます。M&Aを進めるか否かを判断するためには多くの確認事項があります。その経営判断を下すのに早くても数週間、長ければ数ヶ月を要します。せっかく案件を検討している状況でも、別の仲介会社から同じ案件が持ち込まれればいらぬ疑念を持たれ検討を中止されかねません。特に上場している会社であればのれんの減損を恐れてリスクのある会社と見なされる敬遠されてしまいます。

M&Aアドバイザーにとっての出回り案件

1.買い手からの信頼を毀損する
出回り案件を出回り案件と知らずに紹介してしまうと「この仲介会社から紹介される案件は怪しい」「仲介者として十分なリサーチをしていない」と判断されるため、買い手からの信頼を失うことに繋がります。

2.買い手探しの優先順位が下がる
出回り案件と分かった瞬間に、買い手に紹介しても成約しづらい、もしかしたら他のアドバイザーが途中でM&Aを決めてしまうかもしれないという理由から、相手探しの優先順位は大きく下がります。
仲介者としても当然相手が出てきやすく、成約しやすい案件に注力するのは当然です。

よくある出回り案件化してしまう4ケース

1.アドバイザーが横流し
個人や非上場の小規模事務所の場合、買い手とのネットワークが少なく相手探しに行き詰まる事があります。その場合、自身のネットワークで買い手を探すことを断念し、別のアドバイザーやブローカーに案件が出回るリスクがあります。
上場企業であれば秘密保持を含めコンプライアンス体制は万全なので、まずそのような事は起こりません。ただ単に手数料が安いというだけで個人M&Aアドバイザーや小規模事務所に依頼することは相応のリスクもあることは理解しておきましょう。

2.顧問税理士や相談した知人が拡散
顧問税理士や知人の経営者に買い手紹介を依頼した際に、情報が拡散されて出回ってしまうケースがあります。M&A経験が豊富な方でない限り、情報開示する先に秘密保持契約も結ばずに打診することはよく聞く話です。彼らはM&Aのプロフェッショナルではありません。あくまで個人的に依頼している場合は情報漏洩のリスクは覚悟することが必要です。

3.アドバイザー等に複数者相談する
最初に当たったアドバイザーが、買い手を中々紹介してくれない場合に他のアドバイザーに依頼したり、複数のアドバイザーで当たった方が効率が良いと思い独断で進めた結果、出回ってしまうケースが多くあります。
並行して別のアドバイザーにも依頼をする場合は、いつ、どこに、どのような形でアプローチ済みなのか、今後の棲み分け方針なども事前にしっかり確認し、相互に連携させることが重要です。

4.M&Aのマッチングサイトにバレバレな形で掲載
M&Aのマッチングサイトに、あまりにも分かりやすい形で掲載していると情報が漏れてしまうリスクがあります。
例えば「○○県 業歴の長い和菓子店 年商5億 水羊羹が主力商品 受賞歴あり」
特に地方であれば上記のようなノンネーム情報でも十分キーワードから企業を特定されるリスクがあります。
不特定多数が閲覧するサイトに情報を出す場合は細心の注意が必要です。
M&Aコンシェルジュはご登録者様情報を外部へ一切公開しておりませんのでご安心ください。

出回り防止策

1.1社選任で依頼する

基本的に大手仲介会社であれば全国にネットワークがあるため、1社選任でもほとんどの主要な買い手へアプローチが可能です。
一方、中小や個人のアドバイザーに依頼する場合はアプローチ先が限定的になり、時間もかかるケースがあります。そのため、1年間の選任契約などを結んでしまうと「候補先が出てこないのに別の仲介会社に切り替えられない」という事態になりかねません。能力を見極めるため、期間限定で選任契約をするのもひとつです。

2.アドバイザー同士連携する
中小、個人のアドバイザーの場合は、候補先が自社のみで見つからない場合、他のアドバイザーにも候補先探索を依頼するケースがあります。そして、過去に自社がアプローチした買い手を共有せずに進めてしまい、出回り案件となってしまう場合があります。
対策として、まず各アドバイザーが紹介できる買い手候補リストを出してもらい、担当者を決めて回ってもらいましょう。
もしくはそもそも横流しを禁止して独自ネットワークのみで候補先の探索をしてもらうように取り決めます。その場合、買い手候補先のリストが尽きたら共有してもらい他のアドバイザーに切り替えましょう。

友人等のつてから買い手を見つけることもできますが、情報漏洩リスクは覚悟しましょう。一度情報漏洩が起こると事態の鎮静化に相当な労力を要します。
人生で何度とない大切な自社の譲渡は安心できる買い手探しのプロに依頼するのが懸命です。着手金や手数料を出し惜しみした結果、情報漏洩リスクはもとより、アドバイザーのネットワークが限定的で理想の相手に出会えなかった、アドバイザーの交渉力が弱く希望の条件が出なかった等、不本意な状況に陥ってはもともこもありません。
M&Aの成功を左右する最重要事項は最適なアドバイザーをしっかり見極めることといっても過言ではないでしょう。M&Aコンシェルジュでは貴社の状況に応じた最適なアドバイザーを無料診断しております。問合せフォームよりお気軽にお問合せ下さい。

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