FAGA(女性男性型脱毛症)のメカニズムとは?

女性でも脱毛症になることがあります。女性の場合は、男性の脱毛症をさすAGAに対して「女性男性型脱毛症」を意味するFAGAと呼ばれています。今回はこのFAGAについて説明します。 2017年09月24日作成

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男性のAGA(男性型脱毛症)と同じように、女性でも脱毛症に悩む人が増えています。男性のAGAと区別するため、女性の脱毛症は「女性男性型脱毛症」を意味する「FAGA」と呼ばれています。ここでは、FAGAの特徴やメカニズムについて説明します。

1.  男性型脱毛症(AGA)ってなに?

AGAはandorogenetic alopeciaの略で、日本語では男性型脱毛症といいます。AGAの原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンです。テストステロン自体はもともと体内にある男性ホルモンで、男性らしい体をつくり、男性特有の機能をスムーズにするために分泌されています。思春期から分泌量が増えますが、頭皮に存在する5-αリダクターゼという酵素と結合すると、AGAの原因といわれているDHTに変換されてしまいます。このDHTが毛乳頭細胞の中にあるアンドロゲン受容体に結びついてしまうと、髪の毛のたんぱく質がつくられなくなり、薄毛を引き起こすといわれています。AGAは、髪が産毛のように細く短い状態のまま成長がストップし、抜け落ちてしまうのが特徴です。生え際(M字)や頭頂部など、部分的に薄毛が目立ち始めたり、額が広がってきたらAGAの可能性があります。

2. 女性版AGAを女性男性型脱毛症(FAGA)という

「男性ホルモンが原因なら、女性には無関係」と思われるかもしれませんが、実は女性の体内でも男性ホルモンがつくられています。女性の場合、男性ホルモンより女性ホルモンの方が多く分泌されているので、髪への影響が少ないのです。女性ホルモンは髪を育てる働きをし、髪の生え変わるサイクルを長くするので、仮に抜け毛や薄毛が発生しても、あまり気になりません。しかし、年齢と共に女性ホルモンは徐々に減少します。すると、男性ホルモンの影響で女性でも薄毛・抜け毛を発症しやすくなるのです。女性に起こるこのような症状を、男性と区別してFAGA(Female AGA、女性男性型脱毛症)と呼びます。

3. FAGAの特徴

男性のAGAは生え際や頭頂部など部分的に薄くなるのが特徴ですが、女性のFAGAの場合、髪のサイクル(毛周期)の休止期が長くなり、髪が抜けたあと、新しい毛が生えてくるまでの時間が長くなります。その結果、髪の本数が減少し全体的にボリュームがなくなります。FAGAの症状は、初期のI型から進行するにつれてII型、III型と分類されます。I型では、抜け毛が増え頭頂部の一部が薄くなったと感じます。II型は、分け目やつむじの薄い部分がやや広がってきた感じがします。症状が進行したIII型は、髪の薄い部分が広がり、頭頂部が透けて見えるようになります。FAGAは女性ホルモンの分泌が徐々に減ってくる40歳前後の女性に多く見られる症状です。しかし、20代でもストレス、生活習慣の乱れ、食事の偏り、過度のダイエットなどで女性ホルモンが減少し、FAGAを発症するケースが増えてきています。

4. FAGAチェック

自分では頭頂部の薄毛に気づきにくいものですが、FAGAは早めにケアすることで症状が改善するといわれています。次のようことが気になる場合は、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?・髪のボリュームが無くなってきた・髪が全体的に薄くなってきた・地肌が目立ってきた・分け目が薄くなってきた・額が広くなってきた・こめかみが薄くなってきた・前髪が減ってきた・髪が細くなった・コシ、ツヤがなくなった・抜け毛が増えた最近では女性専門の薄毛外来も増えています。女性の薄毛に特化しているので、より専門的な治療が受けられるでしょう。また、待合室で患者さん同士が顔を合わせないように工夫されていたり、スタッフが全員女性だったりと、治療以外でも細やかな配慮をしているところが少なくありません。

脱毛は男性に多い症状、と思いがちですが、女性にも十分起こりうる症状です。男性のAGAにはさまざまな外用薬や内服薬が出回っていますが、女性がそれを使用しても効果がないこともあります。また、重篤な副作用が出る場合もあるので、使用の際は注意しましょう。最近髪の毛のボリュームがなくなった、と感じている方は、一人で悩まず、まず専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

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